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磁粉探傷検査(じふんたんしょうけんさ)とは
磁粉探傷検査とは、磁気の性質を利用した検査方法です。電子部品・基板の亀裂検出、油圧機器・タンク・配管などの油漏れ検出、外食産業や給食設備での厨房・調理器具・食器などの脱脂洗浄の確認の用途で使用されます。磁気を利用した検査ですので、検査対象となるのは、強磁性体と呼ばれる“磁力に引き寄せられる材質”に限られます。
磁粉探傷検査にもいくつかの種類があります。ここでは一般的な磁粉探傷検査のうち、「極間法」についてご紹介します。
極間法とは
磁粉探傷検査は、電磁石によって物質表面に発生させた磁界を利用します。電磁石によって人工的に作られた磁界は、物体の表面に傷や凹みがない状態ならば、きれいな放射状の磁力線を物体表面上に形成します。しかし傷や凹みなどの異常があれば、磁力線はその異常を避けるようにして描かれるのです。
検査対象に細かい「磁粉」と呼ばれる強磁性体の粉をふりかけると、傷や小さな凹みのある場所に磁粉が引き寄せられます。それにより、視認しにくいサイズの傷や小さな凹みであっても検出できるのです。また「表皮効果」といって、表面から2~3mmの深さであれば、内部の傷なども磁力線に影響を及ぼします。この「表皮効果」によって、内部の浅い部位の傷なども検出できます。
また目に見えないほど微細な傷を検出する場合、非常に粒子の細かい磁粉を使用することで、傷を拡大して視認する方法があります。また、蛍光剤を混ぜた磁粉をふりかけ、紫外線発生装置(ブラックライト)を照射することで、視認できないような傷を暗所で検出する、という方法もあります。