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- 超音波探傷検査の概要
超音波、そして超音波探傷検査とは
超音波とは、簡単に言えば「人間の耳には聞こえないほどの高い音」のことです。物理学において、音は波形で表されます。その波の周期を「周波数」という数字で表し、単位にはHz、KHzを使います。高い音ほど周波数は高くなり、たとえばピアノの鍵盤上で中心近辺の「ラ」音は441Hzであり、超音波は20KHz(20,000Hz)以上の周波数を持つ音です。
超音波には幾つかの特徴的な性質があります。まず金属などの物体内部に伝達しやすい、という性質。そして物体内部を伝達している時に、物体の端に当たったり、違う材質との境界に当たったりした時に反射しやすいという性質です。これらの性質を利用して、物体内部の傷や凹凸、空洞の有無を調べるのが超音波探傷検査です。
高圧ガス容器の溶接部検査、船舶、航空機などの設備検査、各種溶剤鋼管の溶剤欠陥検査などの現場にて使用されます。
超音波探傷検査の方法・原理
測定する物体に「探触子」と呼ばれる部品を接触させ、固定します。この探触子は超音波を物体に流し込む役目を果たす、超音波の出入り口です。この探触子から流した超音波が、どれくらいの時間で反射するのか、つまりエコーがどれほどの時間で返ってくるのかを計測し、その時間から超音波が物質内部で移動した距離を割り出します。これにより内部の異常やその位置を判定することができるのです。
探触子が接続された機器のモニターには、エコーが波形として映し出されます。ただし、この波形から内部異常の状態を正確に判断するのは非常に難しく、測定者には一定以上の経験と技術が必要であると言われています。